外を見ると,月がまだ高い位置にあります.
ラッキーなことに明け方まで谷川東面を照らしてくれそうです.
直ぐに食事を済ませ,テント撤収手前まで済ませて撮影にかかりました.
何カットが撮影し,東の空が明るくなり始めた頃に出発しました.
鉄塔まで上がると,電線も避けて谷川東面が撮影できます.
月照の一ノ倉 2010.5.1-5.3 谷川馬蹄形 |
ぼんやりした日の出を終えて,朝日岳へ向かいました.
今思えば,無理して下山するのではなく,もう一泊すればよかったと思います.
朝日岳まで2時間40分というコースですが,結構時間がかかりました.
とにかく雪が少なく,こんなに苦労したかな,という印象です.前回は,テケテケと降りて行った記憶があるのです.
好きな雪原を歩いて,朝日岳に到着しました.
前回同様,まったく雪がありません.
ジャンクション手前のナイフリッジ 2010.5.1-5.3 谷川馬蹄形 |
朝日岳の下りで,アイゼン,ストックを引っかけて,転倒してしまいました.
したたかに膝を打って,思っきり膝が破けていましたが,擦り傷程度で済みました.
ですが,ストックはポッキリ逝ってしまいました.
気を取り直して歩き始めますが,ペースは落ち続けます.
悪いことは続くもので,雪が緩くなって団子になってきたので,アイゼンを外したところ,プレートをつなぐシャフトを止めるネジと固定具が飛んでいました.
これでアイゼンを履くことはできません.
笠ヶ岳の手前の避難小屋で風を避けて膝の手当をして出直しです.
白毛門まで歩き続け,やっとの思いで着くと,あと2時間半という思いが出てきました.
ですが,雪は緩々で状況はよくありません.
今思えば,ビバークして雪が締まる朝に下山すればよかったと思います.
前回は,雪崩が起きた後だった大斜面も,雪が無くて妙に歩きにくい状況です.
麻痺がある左足はキックステップが効かず,ユックリ時間をかけて下ります.
白毛門大斜面 2010.5.1-5.3 谷川馬蹄形 |
さらに,1,200mまでは所々に雪が出て気を使います.
足も体もボロボロで,900m程度まで下りた所で尾根通しから斜面を下ると登山口まで一頑張りです.
登山口の沢でBBQをしている若者達の肉を焼く匂いに思わずお腹が鳴ります.
まずはカラカラに乾いた喉を沢水で潤し,バイクのエンジンをかけてロープウェー乗場に向かいます.
観光客,登山客が入り混じるロープウェー乗場で荷物の整理をして出発です.
足はボロボロ,膝は痛いし,で大丈夫かな,と思ったのですが,もうこれ以上壊れるものはありませんでした.
無事自宅に予定よりも早く到着し,スッカリ乾いた膝の消毒をしてヤレヤレという感じです.
普段の生活には不自由ありませんが,長期山歩き,特に雪渓の下山や,左が谷側のトラバースなど,かなり気を使わないといけません.
そろそろ,山歩きのスタイルを変えないといけないのかもしれません.
【行程】
3:15起床4:45 - 7:30ジャンクションピーク手前7:45 - 8:20朝日岳 - 9:50避難小屋10:10 - 10:15笠ヶ岳10:35 - 11:15白毛門11:35 - 13:30休(1,000m)13:40 - 15:00白毛門登山口 - 谷川ロープウェー乗場16:15 - 21:30自宅
総走行距離:399.6Km