2013-03-03

南八ヶ岳での夜間撮影

学位論文も一区切りついたので,久しぶりにリハビリも兼ねてお山に入りました.
何処にしようか迷ったのですが,天気予報から新潟・東北方面は危険と判断し,太平洋気候の八ヶ岳にしました.
八ヶ岳も,北と南とでは雰囲気が全く異なります.
ここは,行きなれている南八ヶ岳にしました.
前回は,天候と調子が悪く,縦走予定が文三郎尾根の階段手前で引き返すという情けない状態でした.

美濃戸口まで一気に行かず,途中の道の駅で仮眠をして早朝に移動しました.
というのも,美濃戸口での仮眠は寒くて辛いんです.
道の駅では強風で車が揺れ,こんな状態では稜線にあがるのは厳しいなぁ,と思いつつ朝を向かえました.
外の空気を吸って頭をシャキッとさせて出発し,30分ほどで美濃戸口に到着しました.
既に多くのパーティが準備をし出発しています.
私も,朝食をとって出発しました.なお,美濃戸口では仮眠室やチップ制トイレがあります.

美濃戸口からの林道はガチガチ,テカテカで久しぶりのボッカでは滑りそうです.アイゼンを履くか迷いましたが,安全をとりアイゼンを装着しました.1時間ほどで美濃戸山荘にいけるかと思いましたが,1時間半ほどかかって,やっとの到着となりました.
ここでアイゼンを外したのですが,まだ凍結している箇所が多く,再びアイゼンを装着しました.
程なくアイゼン無しで歩けるようになり,アイゼンを手で持ちながら,のんびり (バテバテなりながら) やっとの思いで行者小屋に到着しました.
到着手前で,以前5月に蝶ヶ岳~燕岳縦走中に常念岳で出会い,しばらく一緒に山に行っていたSさんとバッタリ...びっくりです.
なんでも,主稜に行こうとしたがラッセルで敗退とのこと.ここまでのルートもラッセルだったそうです.お疲れ様です.今夜は赤岳山荘なので,一旦戻って明日再チャレンジするとのことです.
いやいや,素晴らしい.私も,会に所属していたときは,1月の三連休で赤岳南稜右,左,主稜 (ショルダーに行きたかったが視界が悪く主稜に出てしまった) をやったりしたことを思い出しました.そもそも,主稜は会に入って初めてのバリエーションだったので,思い出深いものがあります.

行者小屋で整地もそこそこに,テントを設営して横になっていたら,そのまま寝てしまいました.
夕方,起きて外に出てみると僅かに焼けていましたが,今ひとつ...
今夜は晴れることを期待して,早めに寝ました.
22時過ぎに起きてみると,快晴です.
静かに準備して,0:00過ぎにテントを出て歩き始めました.予想通り月明かりでトレースがバッチリ見えます.直ぐに阿弥陀岳との分岐に出たのですが,ここでアイゼンを履いていたらヘッドランプが消えてしまいます.電池を換えたばかりだったので,予備電池はテントの中です.煩くするのも悪いので,電池を暖めてみたら復活しました.
そこから,さらに分岐があり,左に行ったのが判断ミスでした.どうやらショルダー取り付きに出るルートで,一般道に戻るにはちょっと厳しいものがあります.
風も強いため,おそらく左ショルダー取り付きで撮影しました.
かなりきつい斜度での撮影を強いられましたが,そこそこ面白い絵が撮れました.
1時間半ほどだったと思いますが,体の震えが止まらず低体温症の危険もあったので,戻って中山展望台あたりで撮影することにしました.戻ってから小屋の横を抜けて行きますが,いくら登っても展望台に出ません.明け方近くでやっと開けた場所に出たので,急いで撮影を始めますが,どうもカメラの調子が悪く,変な感じです.寒さのせいでしょうか...

ここでも1時間ほど撮影して,テントに戻り下山するか迷いましたが,一旦寝ることにしました.
テントに戻って,珍しく凍っていないお茶のペットボトルで喉を潤そうと開けると,みるみる色が変わっていきます.そうなるかなぁ,と思ったのですが,やっぱり過冷却状態になっていました.
おそらくペットボトルを開けた時の気圧差で凍ってしまったのでしょう.それでも半分くらいはお茶のままでしたので,何とか飲めました.そうそう,飲めなかったのですが凍り酒も出来ていました.冬の南八ヶ岳は寒いです.全てが凍ります.気をつけましょう.

明るくなって,みんな出かけた後にゆっくりテントを撤収し,トボトボと戻りました.
快晴で暖かい中,テカテカの林道をアイゼン歩行したので足はボロボロです.
まぁ,リハビリとしてはちょうど良かったかな,と思いますし,テント泊で南八ヶ岳の夜間撮影をすることができましたし.
また,来年来ようと思います.

行者小屋途中から大同心・小同心
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