2016-10-12

瑞牆と鳳凰

休みが取れたので、久しぶりに秋山ハイキングへと出かけました。
思えば、1月23日に再発した腰椎ヘルニアの痛みが出て以来、10ヶ月ぶりのフル装備でのハイキングです。
7月に一度、比較的長い山歩きをしていますが、ビバークできる態勢で臨むのは久しぶりです。
ということで、歩けるかどうかも不安なので、瑞牆山へ足慣らしで様子見に行きました。
その前に、途中で見つけたコスモス畑で、一休みしながら運転の疲れを癒やしました。
秋晴れの予感
心地よい風
瑞牆山ハイキングは20数年前、まだ山岳会に入る前に単独で甲武信岳から瑞牆山まで11月に縦走して以来です。
登山口からして覚えていませんし、そもそも記憶と全く違う所を歩いています。
そうです。
瑞牆山からの瑞牆山荘への下りは、完全にルートを間違えていたようです。
今度は、間違えることなく標高を上げていきます。
ほぼコースタイム通りに、富士見平山荘に到着しました。
以前は週末だけの営業でしたが、今は小屋番が常駐しているんですね。
山小屋初の地ビールも飲めるそうで、機会があればゆっくり楽しみたいところです。
ビールへの思いを断ち切り、山頂を目指します。
桃太郎岩も記憶になく、初めての山っぽくて新鮮でした。
紅葉のぞく
秋空の大ヤスリ
ただ、大ヤスリ岩横を通過した時、焚き火跡があったのを思い出しました。
もちろん、今は撤去されて大ヤスリ岩へはロープが張られて入れなくなっています
(一般登山者向けへの警告であり、登攀が禁止されているわけではないと思います)。
あの時、一緒になったカップルは、今はどうしているだろう。
あの二人、山頂ではなく大ヤスリ岩に間違えて登ってたんだよなぁ...
夕暮れ
山頂での夕焼け、そして星景撮影を楽しみたかったのですが、予報通り生憎の曇り空となりました。
こうなると、やることがないので呑むしかないのですが、持ってきた量を間違えてしまい、あっという間に終わってしまいました。
しかもガスが上がってきて、周囲は真っ白に...
熊除けのラジオを聞きながら、ひたすら寒さに耐えていたところ、ほんの僅かでしたが雲が取れて満天の星空が見えました。
八ヶ岳に星が降る
つかの間の感動も終わり、また真っ白な世界に戻されてしまいました。
翌朝、まだガスはとれずに白いままです。
朝焼けもないので、そのまま下山することにしました。
それでは勿体無いので、ガスに覆われた原生林を撮影して車に戻りました。
下山中にすれ違った方が、満天の星だったので登ってきたと言っていました。
おそらく、4:00頃に晴れたのでしょうが、山頂はガスのままでした。
その方には富士見平山荘手前で再び抜かれたのですが、山頂はガスに覆われていたそうです。
誘われる森
車に戻って、このまま鳳凰に登るか思案しました。
天気予報では、やはりあまり良くないようです。
今日は登山口で休み、夜中に登って撮影に行くことにしました。
ということで、お昼頃に登山口に到着すると、下山してきた若人から情報をもらいました。
天気は良かったようで、満天の星空も見えたしオベリスクから見た雲海は感動モンだったとか。
これは期待できそうと、昨晩は楽しめなかった酒盛りをして、仮眠をとりました。
秋の南アルプス
夜中に出発して、熊鈴とラジオを聴きながら鳳凰小屋を目指します。
今回は、燕頭山(つばくらあたまやま)ルートという急登ルートを選びました。
日本には(北アルプス)三大急登として、合戦尾根(燕岳)、ブナ立尾根(烏帽子岳)、赤岩尾根(鹿島槍ヶ岳)があります。
どの尾根も歩きましたが、個人的には白沢登山口からの餓鬼岳、そしてこの燕頭山ルートを候補に挙げたいですね。
ヘロヘロになって、燕頭山にたどり着きました。
すでに、5時間以上が経過しています。
山頂の木々には、ウメノキゴケ科のサルオガセ(猿麻薯)がまとわりついた木々が目立ち、何やら不思議な空間を演出していました。
急登の楽園
ここから、さらに300mほど登れば小屋につけます。
地図では「ゆるやかな登り」となっていますが、南アルプスらしい登下降を繰り返す、なかなかのルートでした。
小屋も近くなったと感じた頃、すこし紅葉を感じる場所に出ました。
錦繍のアルプス
ヘロヘロになって8時間をかけて小屋に到着し、遅めの昼食をとってから地蔵ヶ岳を目指しました。
確か20年くらい前に、夜叉神からドンドコ沢を下る鳳凰三山縦走をしました。
その際、オベリスク(地蔵仏)には登っているので、今回は眺めるだけです。
このオベリスク、鳥の嘴に似ていることから鳳凰の名前の由来になったとも言われています。
秋雲
地蔵ヶ岳には、その名の通りお地蔵さんが、たくさんあります。
200年以上も前から「子授け信仰」の対象として置かれているものということです。
「一体を持ち帰れば子が授かり、お礼に二体をお返しすれば子は健やかに育つ」と伝えられています。
となると、最初の一体はどうしたんだろう...
天空の地蔵仏
かなりバテが入ってきたのですが、なんとか歩いて観音岳に到着しました。
日が傾き始め、観音岳の西面を朱く染め感動的でもあります。
歩いてきた甲斐があったというものです。
夕焼けの観音
そして夜が更け街に明かりが灯るようになると、眼下には夜景と星の素晴らしい星景があらわれました。
今回は、撮影に集中するためアルコール類は持っていていません。
寒い...ひたすら寒い...
朝にはボッカした水も凍り、相当な冷え込みがありましたが、緊張からか寒さをそれほど感じませんでした。
いや、寒かったかな。
下り道、思いっきりルートを間違えて変なところから下りてしまいましたが、何とか鳳凰小屋への近道の分岐に出て、お昼過ぎには車に戻れました。
麻痺のある左脚は、力が入らない指にできた豆が潰れていて、それをかばった右足が痛くて、そろそろこういう撮影山行も考え直さないといけないかも、と思い始めています。

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