スリッパの法則は、数学の世界では外角定理のことです。
恐らく中学校で習った気がするのですが、三角形の2つの内角の和は (隣り合わない) 残る1つの外角と等しい、というものです。図1を見れば、”あ~、これのことか!”と思い出す人も多いと思います。図1の様に、∠A + ∠B = ∠D ( = 180°- ∠C ) となります。この理由 (証明) は、 ∠A + ∠B + ∠C = 180°より ∠C = 180°- (∠A + ∠B)となります。一方、 180°-∠C = ∠Dですから、 ∠D = ∠A + ∠Bとなります。この形がスリッパに似ているので、外角定理はスリッパの法則と呼ばれるそうです。
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図1.スリッパの法則 (外角定理) |
一方、ビジネス (投資) の世界でもスリッパの法則というのがあります。未来創造志塾と、私が聴講したセミナーからの引用です。これは、社内でスリッパに履き替える様な会社には投資をしてはいけない、という法則です。スリッパに履き替えて仕事をするような会社は、外に行くことが少ない会社です。即ち、内部思考となっていることの証左です。儲からない企業に共通していることは、幹部が社内を歩きまわって監視をし、お客をまわっていないそうです。つまりスリッパに履き替えて社内を歩きまわっているということです。(株)佐藤満国際経営・農業研究所の佐藤満氏は、"売上げが伸びないのはお客からの信頼が無いからだ"と言っています。これは、売上げが伸びないのは、販売活動が充分でないからであって、お客から信頼を得られていないから契約が取れず売上が伸びない、ということです。こんな時に、業績不振を部下の怠慢に押し付け、社内に居座り部下の報告を受けるだけの幹部は、どうでしょうか。マネジメント (管理ではない) の根幹は会社を潰さないことである。そのためには自らお客をつくる活動を行うことが大切で、管理とはお客をつくる活動を行うためのものであって、社員の行動を管理することではない。ということです。イトーヨーカ堂創業者 伊藤雅敏氏は、"売上げが落ちた時は街に出て、そこに行き交う人を見る。その人達がどんなものに興味を示すか、どんなものを手にとって見るか観察する。街は情報源であり、羅針盤だ"と言っています。業績不振な時こそ、外に出て1つでも多くの顧客から信頼を得て契約をとることが大切だと言っているのだと思います。これと同じ法則に、作業着の法則というのがあります。スリッパの法則と同じ様に、作業着を着て社内に目を光らせている幹部は、内部志向ということを示しています。
これからは、この様な話題もアップしていきたいと思います。
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