2006-10-23

越後三山の反省

越後三山縦走で、遭難救助に遭遇した。

救助に絶対の解答というものはない、と思っている。ベストを尽くしても、後から「もっと、こうすれば良かった」とか、「こういう対応の方が良かったのではないか」と悔やむものだ。

今回、一つの大きなミスを犯したのではないか、と思っていることがある。
帰り際、デポした車を回収しにきた車(2つのパーティがクロス縦走をしたらしく、お互いの車を回収しにきた)にすれ違った。
その際、現場が登山口から30?40分程度の登り返しの場所なので、遭難した方についていてくれないか、と頼んだ。
(結局、行ったのかどうかは不明のままだ。)

頼んだ手前、その人達の安否も心配することになった。
所詮、軽装では人を担ぎ上げられないし、陽も暮れかかっていたので二重遭難の恐れもある。
正直、頼んだことは良かったのか、自問自答した。
(問題を悪化させたのは、無線や携帯電話が通じない場所だった、ということもある。)

また急いでいたので、お互いの連絡先を交換しなかったことも良くなかった。
冷静であれば対応をとっていただろうが、かなり焦っていたのは事実だ。

今回のメンバーの内、看護士の二人は応急処置の知識もあり、テキパキとしていた感がある
要救助者についているだけでいい、というが、素人には何も出来ないだろう。
正直、自分の非力さを知った。

自分がしたことと言えば何か、と言われれば、何もしていない。
ただ、携帯電話がつながるところまで行こう、と提案しただけだ。
自分たちがついていっても、二重遭難(といかないまでも、コケて怪我でも)されたら、
警察や消防、村の人達に迷惑がかかる。
結局、対策本部で待つしかなかった。
今回は、とにかく何もしない、というのが、できる全てだった。

さて、こういう騒ぎを自分は起こさない、とは思っていない。
しかし、そういうことを引き起こすかもしれない、という覚悟で登っていたか、というと登っていなかった。
そんな覚悟していたら、山になんか行けないよ、と言われるかもしれない。
会に入っているから、とか、保険に入っているから、とか、そういう問題ではないと思う。
そういう覚悟を背負っていないと登ってはいけない、ということだろう。

今後、覚悟して登っていけるだろうか。
グレードを下げるか、ロングルートも短く切るか、など、小心者と言われようが、事故を起こす確率を出来るだけ下げる努力(計画)をしていくだけでいいのだろうか。
答えは、まだ分からない。

しかし、たとえ時間が経っても、このことだけは忘れることが無いようにしたい。
そうでないと、俗化していると登山者を嘆く自分も俗化していくことになるのだろうから。

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