2014-10-08

皆既月食: Total (Lunar) Eclipse

10月8日は、南東の夜空を見上げた人が多かったと思います。
2011年12月10日以来、約3年ぶりとなった皆既月食は、九州の一部を除き日本のほぼ全国で観測できたようです。
今回の皆既月食は、テトラッド (tetrad) と呼ばれる珍しい現象の一環です。
テトラッドとは、世界で皆既月食が約半年毎に4回連続する現象で、過去2000年では8回起きたそうです[*1]。
今回は、2014年4月15日にアメリカで皆既月食があり、2回目となります。なお、今回は4回ともアメリカ (といっても広いですが) で見られる特別なテトラッドだそうです。
残り2回は、2015年4月4日(土)、9月28日(月)です。残念ながら、4回目の9月28日は、日本では観測できません。

さて、今回の皆既月食は皆既月食の始まりから終わるまでが約1時間と長く、部分食の始まりから終わりまでは約3時間20分と長いことが特徴です。
こんなチャンスは生きている間に、そうはないだろうと1ヶ月前あたりから撮影地の選択、天気の状況等を調べ、この日を迎えました。
あいにく業務があるため休みを取ることは叶わなかったため、業務終了後に出来るだけ早く移動できることも条件です。
本当は、職場があるビルの屋上や近くのビルの屋上が良かったのですが、そんな場所へ入ることが許されるわけもなく、色々と検討して決めたのがスカイツリーの見える場所です。
食が始まる時間の月の位置、スカイツリーや周囲の建物の配置、撮影できる十分な広さ、ポイントまでの移動時間等を考慮し、隅田公園にしました。
職場からだと約45分で、皆既月食が始まる前に撮影ができそうです。
当日の日中は、スカイツリーの上空に雲があって撮影が難しいかなと思ったのですが、夕方になって雲一つない天気となりました。三脚をもう一つ準備すれば良かった (理由は後述) と思いましたが、それよりもさっさと業務を終わらせて、少しでも早く移動することが大切です。

既に公園には大勢の人が、月食を楽しんでいました。
半分以上欠けた月が、スカイツリーの横あたりに浮かんでいます。
良さそうな場所は既に三脚が並んでいるのですが、月の移動を考慮して少し外れた場所に三脚を設置し、早速撮影を開始しました。
ちょうど食が半分程度から撮影開始(この撮影は難しい)
そして、先日フォトコンからお借りしたSONY α7 で撮影です (残念ながら、スタッフからの説明会には業務のため参加できませんでした)。
三脚がないため、欄干やお座布を使っての撮影となりました。
高感度撮影
今回は、操作に慣れることと高感度撮影を試すことが目的です。
三脚のカメラは、セッティングすれば放置プレイなので、色々と移動したりレンズを交換したり、試し撮りを楽しみました。
こちらは慣れたカメラ
ちょっとピンが甘い
食が最大なのに、もう (月食は) 終わりとつぶやくカメラマンには、少々苦笑いといったところでしょうか。食が最大となった19:55頃を過ぎた頃に雲が出てきてしまい、予定していた時間よりも1時間ほど早く撤収となりました。

次回は4月4日土曜日ということで、何もなければ朝から晩まで撮影が楽しめそうです。
ちょうど桜の季節ですし、夜桜と絡める人も多いのではと思います。
結構、隅田公園は広いですし次回も隅田公園で撮影しようかと考えています。
ただ、食の時間が短いので観察できるのは僅かかもしれません。

最後に、これからの月食情報です。
2015年4月4日 皆既月食(食始19:15/皆既始20:53/最大21:00/皆既終21:06/食終22:45)
2017年8月8日 部分月食
2018年1月31日 皆既月食(約1時間17分)
2018年7月28日 皆既月食(約1時間44分、月没帯食(*2))

*1: 162-163年, 795-796年, 842-843年, 860-861年, 1493-1494年, 1949-1950年, 1967-1968年, 2014-2015年
*2: 月が欠けた状態で地平線に沈むこと。一方10月8日の月食では、石垣島以西では月が欠けた状態で昇る月出帯食となった。