2023-09-25

データのバックアップ: 3-2-1ルールと記録メディアの寿命

みなさん、データのバックアップは、どうしていますか。
特に、撮影で使ったメモリカード、そこに格納されたデータをハードディスク (HDD: Hard Disk Drive) などに移さずに、そのままにしている方もいるとか。
カードが目一杯になると、カードを保管して新しいカードを使う、というのです。
これ、やめた方がよさそうです。

(データのバックアップ: 3-2-1ルール)
データのバックアップですが、3-2-1ルールというものがあります。
これはシステム構築や情報セキュリティの世界で使われているルールで、最近ランサムウェアによるサイバー攻撃から復旧するために有効なバックアップルールとして注目されているようです。

やり方は簡単で、普段作業するメインのデータ以外に2つのコピーを作成します。
ただし、そのうちの2つは異なるメディアにコピーします。
例えば、HDDとクラウドストレージ、HDDと光ディスク、HDDと磁気テープという様に、異なるメディアに保管します。
ここで、フラッシュメモリにコピーして保管するのは避けてください。
そのうち1つは、遠隔地に保管するというものです。

3-2-1ルール

あまり難しく考えず、撮影したメモリカードのデータは、速やかにパソコンの普段作業するHDDに保管します。
そしてコピーを作成しますが、一つはHDD、一つはクラウドストレージやDVDやBlu-rayなどの光ディスクを使い、HDDとは異なるメディアに保管するというものです。
3-2-1ルールの遠隔地で保管することは、クラウドストレージを使う以外は困難だと思います。
ここは厳密に考えず、まずは3-2ルールだけでも行うと、いざというときに対応できると思います。

あと、同時期に購入した同じHDDは、同時期に壊れる可能性があります。
これを避けるため、時期をずらして購入したHDDを使う、またはメーカが異なるHDDを使うなど対策すると良いです。
HDDの耐久性については、以下のサイトに情報が出ています。
Backblaze、2022年のHDD故障率公開。やっぱりあのメーカーのHDDが一番壊れやすかった | ニッチなPCゲーマーの環境構築Z (nichepcgamer.com)

Backblaze Drive Stats for Q1 2023

(記録メディアの寿命)
メモリカードに使われているフラッシュメモリには、データの保持期間 (Data Retention) という指標があります。
ここでは詳細な説明は省きますが、フラッシュメモリ (SDカードやUSBメモリ、SSDなど) はデータが消失する恐れがあるので、撮影後のデータは速やかにHDDなど別のメディアにコピーまたは移動することをお勧めします。
記録メディアの寿命は、概ね以下のようのようです。

一見、フラッシュメモリでも保管メディアとして使えそうに思えます。
SDカードやUSBメモリ、SSDなどに使われているのは、NAND型フラッシュメモリと呼ばれるものです。
詳細は以下に詳しく説明がありますが、記録方式にSLC、MLC、TLC、QLCの4つがあります。
SSDに使われている「NAND」とは?フラッシュメモリの基礎知識 (logitec.co.jp)
それぞれでの寿命、記録回数などは以下の表とのことです。
フラッシュメモリは高温多湿に弱く、データが消失しやすくなります。
記事によっては、5年で消失するというショッキングな書き方をしているものもあります。
もしSSDをバックアップメディアとして使う場合は、データの消失を防ぐために1年に1度程度通電する方が良いとされています。

HDDの寿命は1万時間で、実質3~4年が寿命とも言われています。
外付けHDDで、バックアップ時など稼働時間が短ければ、もっと寿命が長くなることがあります。
HDDはバックアップメディアとして最も単価が安いのですが、静電気や高温に弱く、外部からの衝撃は天敵なので扱いには注意が必要です。

光ディスクは寿命は長めですが、直射日光、高温多湿、傷、油(皮脂)などに弱く、保管には注意が必要です。
保管が長期になった光ディスクは状況を確認して、ディスクコピーして新しくしておく方が良いそうです。