2013-08-16

唐松岳ふたたび

先月、暴風と雨だった唐松岳に8月14日から16日にかけて、再び登ってきました。
今月の写団薬師の課題は『滝』で、先週撮影に行き作品になりそうなネタは仕込めました。少し先になりますが、来月は『野草の花』で、9月に撮影しようにも野草は咲いていない可能性が高そうです。秋といえばコスモス(秋桜)がありますが、日本では園芸種なため野草ではありません。公園や道路の植え込みの花は多くが園芸種なので、今のうちに野草の花を撮影に行かないとネタがありません。

今回は、野草の花と色々と撮影したいことがあり、天候が安定していると思われるお盆の時期にお休みをもらい登ることにしました。
登山口は前回と同様、黒菱平としました。
向かう途中で星空を撮ろうとしましたが、狙っていた場所が鹿除け柵でしょうか、延々と柵が張られていて撮影には向きません。
結局、撮影を諦め、買い出しをして道の駅「寄って停 まつかわ」で数時間ほど仮眠しました。

明けて、朝風景を撮影しようと思いましたが、あまりパッとしなかったのでまた一眠りしてから登山口へ向かいました。
今回、夜中の撮影を予定しているので、

  • 水:3L
  • ビール:1.7L(500ml×2,350ml×2)
  • 日本酒:1.2L
  • お茶:1L
  • スポーツドリンク:1L
の計7.9Lの液体にカメラ道具 (カメラ2台、レンズ3本、三脚1脚+簡易三脚) 、そしてテント泊の登山道具を担いでの歩きとなります。
黒菱平は、放牧中で立入禁止のため第3リフトだけは乗らないといけません。ここから八方池山荘までは、トレッキングコースを歩いて登りました。
八方池山荘で1時間ほど休みながら撮影して、1時間で八方池山荘です。ですが、トイレから八方池まで20分程なのですが、長くかかりました。八方池は、観光客と登山客が入り混じり、大変な状況です。
夕暮れ近い八方池
短い夏のお花畑
ですが、日没になるにつれて人気が無くなり、私一人寂しく撮影開始です。
満天の星空のもと、2時頃までは穏やかだったのですが、風が出てきたので場所を変えて撮影し朝を待ちました。
白馬三山に沈む北斗七星
星空に願いを
朝になり風もおさまってきたのですが、山には雲がかかってスッキリ、とはいきませんでした。
陽を浴びて
構図を決めて待機していると、人が上がってきました。池には植生保護のため立ち入り禁止となっている所があるのですが、これが近道になるため踏み跡が消えることがありません。やってきた60代男性と思しきカメラマンが踏み込んで向かってきたので注意すると、「そうみたいですね」とノウノウとやって来ました。
『あんたじゃないの?桜切ったの?カメラ道具以外にノコギリが入っているんじゃないんですか?!』
と思わざるをえません。他にも、注意すると「すみませ~ん、わかんないんで」と言う観光客も。日本語は話せるけど、日本語は読めないようです。皆さん、アプローチが楽なことから、近所の公園の池と勘違いしている様です。セミを手にした子供、トンボを捕まえるのに必死な家族、ここは国立公園で自然公園法で高山植物、指定された生物の捕獲は禁止されているのですが...トンボやセミが指定されているかわかりませんが...鉱物も採取は禁止されています。登頂記念に石を持ち帰ってはいけません。
特に唐松岳付近の稜線は砂礫と瓦礫帯でコマクサ等の高山植物の植生保護がされているのですが、ロープを踏み込んで撮影するカメラマンが見られました。そういう人は、注意しても出ようとしません。なんということでしょう。植物がはえていないからといっても、この時期に生えていないだけで根がはっているかもしれません。そこを踏めば地面は硬くなり根を痛め枯れてしまいます。それ位、弱い植物なんです。

閑話休題

朝焼けは期待した程ではなかったので、早めに切り上げて唐松岳に向かいました。
水は減ったものの、寝不足がひびいてきたのか、丸山ケルンからペースが大崩れし、撮影しながらということもありましたが1時間程コースタイムをオーバして頂上小屋に到着しました。まだ、テントを撤収している人がいるのに、早速小屋で登録しました。
前回は全く様子がわかりませんでしたが、随分下までテント場が広がっています。その先に雪渓があり、小屋の人が水が取れるようにしてくれています。先月は無かったので、雪渓が小さくなってからでないと水が出ないのかもしれません。
夜の撮影を考えると下に張るのは得策ではないので、なるべく上に設営しました。水場までは5分ほど下り、登りは10分ほどでしょうか。キンキンに冷えた水は思わず飲みたくなりますが、夏の雪解け水は危険なので生水は飲まない方が良いです(背に腹をかえられず飲んだことはありますが)。
疲れていたのですが天気が悪くなりそうだったので、見晴らしが悪くなる前に登ってしまおうと向かいましたが、寝不足で空腹も進んできた体は言うことを聞いてくれません。途中休みながら、やっとの思いで登りぬるくなったビールで一人乾杯して体を休めました。
白馬には雲がかかってしまいましたが、劔岳・立山等も見られました。
唐松岳山頂から不帰險 (帰らずのキレット)
テントに戻り、つまみに持ってきたスパゲティを昼食にし、ぬるいビール、お酒とツマミで時々ウトウトしながら夕方を待ちました。雷が鳴り雨が降りだし、周囲は雲に覆われて視界が悪くなって夕焼けは期待できそうもありません。
それでも、雨があがると晴れ間が少し見えてきたので、夜のポイントを確認するため撮影しに出てみました。
日が沈むと、周囲は再び雲に覆われて真っ白です。小屋の灯が、山のオアシスの様に周囲を照らしていました。
テント村は、まるで南信州の里の様に谷底に延びています。
夕暮れの唐松
山のオアシス
テント村
撮影まで横になっていると、雲がとれてきたのか月齢8.9の9日月は明るくヘッドランプが不要なほどです。天空には雲はなく、天の川がはっきりと見えます。ですが、西の空には雲が残っていて、劔岳方面はよく見えません。
街灯りと天空の灯
唐松岳と天の川
白馬三山と北極星
月没前から撮影を開始して、約3時間余り冷たい風の中で撮影をしていたら体が冷えてしまい、小屋のトイレに寄ってからテン場に戻って横になりますが、既に撤収準備の1時間前です。少しウトウトしてから起きて3:00に撤収準備を開始しました。
4時頃になると、御来光を山頂で拝む人達が登り始めました。4:20には撤収を終えて、カメラ道具だけ持って先ほどまで撮影していたポイントへ向かいました。
日の出は今ひとつでしたが、雲がとれて白馬三山が良く見えます。
日の出
御来光に照らされる唐松岳
もう少し待てば良かったかもしれませんが、天候が崩れそうな予報だったので、早めに下り始めました。
山を下りる途中で (カメラの影が入ってしまいました)
途中、気になったお花畑で撮影をし、八方池はパスして木道に出たところで膝に痛みを感じたため、大事をとって八方池山荘からリフトで下りました。

麓では、先月改装で入れなかった「みみずくの湯」で汗を流しました。改装で綺麗になって桧の香りが良いお風呂は快適で、日焼けした体には最初はヒリヒリしたものの、直ぐに落ち着いてサッパリして帰りました。

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